生地屋のQ&A

布生地のプロフェッショナルが わかりやすく解説してます。

緞子とは(ドンス)

緞子とは、ドンスと読み 糸で精錬・染色した先染め糸を使って、ジャガードで朱子(五枚朱子や八枚朱子等)の表組織と裏組織で 地模様も出したものです。 (綸子(リンズ)は 同じように作りますが、後染め(織り上げてから染める)です) 厚地で高級感があり…

綸子とは (リンズ)

綸子とは、リンズと読み 経緯(タテヨコ) 無撚糸の糸を使い、ジャガードで朱子(五枚朱子や八枚朱子等)の表組織と裏組織で 模様を出したものです。通常は 地組織を朱子(光沢あり) 模様は朱子の裏組織(光沢なし)で あらわします。 生糸(キイト)を用い…

皺加工とは (シワ加工 crease finish)

皺加工とは(シワ加工)、皺を布生地の表面効果として 布生地に皺をつける加工の事です。 ポリエステルの織物の場合は、その熱可塑性(熱をかけると 柔らかくなる性質)を利用して 通常は生機の状態で 皺をつけ(袋などに詰め込んで 熱をかける等)、染めま…

ヘリンボーンとは 杉綾とは (スギアヤ herringbone) ヘリンボン ヘリンボーン・ストライプ

ヘリンボーン(杉綾)とは、「ニシンの骨」の意味で 織り目(織組織)が そのように見える事から この名前があります。ヘリンボーン・ストライプとも 言います。サテンのように 織組織の名前です。 杉綾のようにも 見えるので、日本語では「杉綾」とも 呼び…

エラスタンとは (elastin)

エラスタンとは、ポリウレタン(スパンデックス)の事です。ヨーロッパ等で 使われる呼び方です。有名なライクラは ポリウレタン(エラスタン)のデュポン(株)や東レ・デュポン(株)の商標です。 (ですので デュポンや東レ・デュポン以外の ポリウレタン…

レースとは (lace)

レースとは、一般に隙間が多く それで模様を表した布生地の事です。(模様のない 亀甲目の網地のプレーン・ネットもレースと 呼ばれます) 種類は非常に多く、下記のようなもの等が あります。 リバー・レース エンブロイダリー・レース(刺繍レース) ラッ…

シェトランド・ツイードとは (Shetland tweed) シェットランド・ツイード

シェトランド・ツイードとは、元来はシェトランド・ウールで作られた ツイード(布生地)です。 柔らかくふっくらとした感触の厚地の毛織物です。霜降り調のものや 杉綾 グレンチェックなどの いろいろな種類があります。現在は それに似ていれば シェトラン…

ツイードとは (tweed) ハリス・ツイード (Harris tweed)

ツイードとは、元来は スコットランド(英国)産羊毛の 太い紡毛糸を毛染め(いろいろな色の混ざった糸になります)して手で紡ぎ、粗く手織りした平織 綾織の総称です(縮絨 起毛しない)。 ざっくりとした素朴な味わいのある、厚手の紡毛毛織物です。ボーダ…

シェトランドとは (Shetland) シェトランドウール(Shetland wool) シェットランド

シェトランドとは、シェトランド・ウールの事で イギリスの北方スコットランドの そのまた北のシェトランド諸島の羊毛から 取れるウールの事です。または それらで作られた織物 編物 レースを指します。 (「シェットランド」と記されたファッション用語辞典…

ミシン針の番手とは

ミシン針の番手には、国内番手と外国番手があり、例えば下記のように 針に刻印されてます。ミシン糸番手などとは 反対に、数字が大きくなるほど 太くなります。 90/14 (外国番手/国内番手) 手芸屋さんでは 下記のように分類されて 売られてます。 薄…

ミシン糸の番手とは カタン番手

ミシンの糸番手とは、カタン番手とも言い 綿番手と同じ太さの単位(1ポンド(453.6g)当たりの長さ(単位840ヤード=768m)です。 カタン糸(イト)とは、ミシン糸で コットン(綿)製のものを指します。元々ミシンに使うのには 強度が必要な…

色落ち

ここ2~3日 どうも手が黒ずむと思ったら、新品のコール天の黒ズボン(コットン100% 本当はポリエステル混の方が丈夫なのですが、ほとんど売ってないのですよね)が 原因でした。(安かったからなあ~(笑)、でも 製品の質と縫製はしっかりしてたので…

芯地とは(シンジ interlining cloth) 接着芯地(セッチャクシンジ fusible interfacing)

芯地とは、布生地に張りを持たせ 服の型崩れを防ぎ、体型をカバーして 美しいシルエットを形作るためにあります。 布生地の種類と同じで 下記の3種類があります。それぞれの種類の中に、接着する芯地(接着芯地)と そうでない芯地がありますが、工業生産さ…

反毛とは(ハンモウ Shoddy) 再製毛(サイセイモウ)

反毛とは、元々 毛(ウール)織物や毛編物などの、くず糸やくず布を 反毛機でほぐし 再生した羊毛を指してました。(再製毛とも言います。新毛(virgin wool)よりも 紡績性や縮充性は劣ります) ですが、近年では 綿(コットン)なども使われ、針状の機具で織…

色について カラー(color)

色って 本当に微妙で 難しいです。 よくお客様から、メールで画像のリンクを示されたり 画像を添付ファイルとして 送ってこられ、「これと 同じ色を捜してください」 とか「これに 一番近い色が欲しいのです」 とか 聞かれます。 ですが、お客様がご覧になら…

紡績とは (ボウセキ spinning)

紡績とは、天然繊維の短い繊維、または化学繊維のステープル(短繊維)を、平行に並べ 均一の太さに引き揃えて、撚(ヨリ ねじること)をかけて糸にすることです。「紡」はよりあわせることを意味し、「績」は引き伸ばすことを意味する漢字です。 紡績で で…

紡糸とは(ボウシ spinning) 溶融紡糸 湿式紡糸 乾式紡糸

紡糸とは、一般に化学繊維の製造段階で 糸の原液を多数の小さい穴から、押し出して糸にする事を言います。溶融紡糸 湿式紡糸 乾式紡糸など3種類あります。 (コットン(綿)やウール(毛) 麻などの短繊維を、引き揃えて撚をかけて糸にする事は 紡績と言い…

スパンボンドとは (spun-bounded fabric) メルトブロー(melt-blown)

スパンボンドとは、不織布の一種で 化学繊維を紡糸する際に 繊維が十分に固まらないうちに 直接シート状にして作ります。腰と張りのある不織布になります。 溶融紡糸(溶かして糸状にする)で作るものは メルトブローと言います。下記の新和工業(株)さんの…

不織布とは (フショクフ non-woven fabric)

不織布とは、織物にも編物にも属さない布生地の事です。繊維を糸にせずに、繊維のまま布生地状にしたものです。 紙をすくのと同じ方法で作る混式(乾式と湿式あり) 繊維を薄くシート状に広げて 接着剤で固めた接着式. 特殊な針でシート状の繊維を突いて 絡…

ウーブン・ソトライプ (woven stripe) ウォーブン・ストライプ セルフ・ストライプ(self stripe)

ウーブン・ストライプとは、織縞(オリシマ)の事で 同色の糸を使って、縞と地の部分を 違った織組織で織り、縞を表したものです。 セルフ・ストライプ(self stripe)とも 言います。例えば サテン・ストライプ・ジョーゼットは、地が平織りのジョーゼット 縞…

切りっぱなしで使える布生地とは

切りっぱなしで使える布生地とは、 大部分の不織布やフェルト、フリース等(繊維同士が からみあっているので、切ってもほつれない). 一部のニット素材(編物)(ほつれにくいニットがあるようです。イッセイミヤケさんの製品で 衿や袖を切って使うニット製…

エナメル・クロスとは (enamel cloth)

エナメル・クロスとは、無地の陶磁器のような外観を持った布生地の事です。エナメルは陶磁器の釉薬(ウワグスリ)の事です。 通常はコーティングで加工します。皮革製品に同様の加工をして「エナメルの靴」などを 製造したりします。エナメルのような外観を…

うさこさんが 手作りフェアーIN九州から 生放送されます!

ニコ生のオフィシャル放送枠(毎週月曜日の夜9時)をもっていらっしゃる「うさこ」さんが、15, 16日(金・土)と日中(10:30-17:00)に ホビーショー手作りフィアIN九州から生放送されます。 視聴者プレゼントも あるようですので、お時間のある方は ぜひご覧…

架橋反応とは (crosslinking reaction, cross-linking reaction)

架橋反応とは、分子鎖(分子が鎖状に 長くつながったもの)の間に 橋を架けるように 他種類の分子がつながる反応です。つながる事によって 高分子(ポリマー)では 一般に粘性が増し、ゲル化したり(分子鎖間の隙間が多く 水分子が入り易い場合) 固くなった…

熱可塑性とは (ネツカソセイ thermoplasticity) 熱硬化性とは (ネツコウカセイ thermosetting)

熱可塑性とは、加熱すると 柔らかくなる性質で 成形後常温に戻すと ほぼそのままの形で成形できます。ほとんどの合成繊維が この性質を持ちます。(fosshape以外は 三浦は知りません) 熱硬化性とは、反対に 加熱すると架橋反応等が進んで 重合度が上がり、…

fosshapeとは

fosshapeとは、熱硬化性の分厚い不織布のようです。下記動画のように 成形して熱をかける事によって 硬くなります。構築的なシルエットを作ったり コスプレなどで利用できそうですね。(フォス・シェイプと読むのでしょうか?) 通常の合成繊維は 熱可塑性で…

風合いとは (handling)

風合いとは、手触りや肌触り 着心地など、人がその布生地に触れた時に感じる 材質感の事です。「風合い良い生地」(手触りの良い)と言うような 表現をします。 学術的には 次のような標準的基本用語が 定義されてるようです。学術的に定義すると とても難し…

ベネシャンとは (venetian) ベネ

ベネシャンとは、朱子(サテン) または綾(ツイル)の変化組織で、マイルドな光沢があり 厚手でなめらかな風合いを持っています。布面には 急角度の斜めの線が密にあります。略して「ベネ」とも呼ばれます。 織組織は5枚サテン(経糸が4本浮いて 1本沈む…

ニードルパンチとは (needle punch)

ニードルパンチとは、 不織布では、短い繊維を薄く何枚も重ね 多数の針(ニードル)のついた機械で 圧縮してフェルト状にした布生地です。不織布の代表的な製法の一つで、安価でホツレがなく自由にカットできるので カーペットなどに多く使用されてます。.(…

オパール・ジョーゼットとは (opal finished georgette)

オパール・ジョーゼットとは、オパール加工をしたジョーゼットの事です。透けた生地に 透けないプリント模様が見えます。 オパール加工は、まず 絹 合成繊維などの 酸に強い繊維と、綿 レーヨンなどのように 酸に弱い繊維との 交織や混合織物を作ります。溶…