生地屋のQ&A

布生地のプロフェッショナルが わかりやすく解説してます。

2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

フェルトとは(felt) 織フェルト

フェルトとは、ウール(毛)などの動物繊維の糸くずを 集めて縮充させシート状にしたものです。不織布の一種ですが、強度や摩擦力が要求される用途には 紡毛織物を縮充・起毛して作った織フェルト(これに対して 通常のフェルトは 圧縮フェルトと呼ばれる事…

エステル縮合とは(ester condensation)

エステル縮合とは、一般的な定義は ちょっとややこしいです。ポリエステル(PET)の場合は、 テレフタル酸 COOH-C6H6-COOH (CH6CH6は俗に言う亀の子のベンゼン環です) エチレン・グリコール OH-CH2-CH2-OH (飲むアルコールのエタノール(CH3-CH2-OH)とは ち…

ピケとは ピッケとは (pique)

ピケとは(又はピッケ)、下の写真のように 経畝(タテウネ)になった織組織です。 畝の細いものを ピンホール・ビケ(pinwale pique)、太いものを ワイド・ピケ(wide-wale pique)とも呼んでいます。(通常 緯二重織の織組織で作ります) ピケ布生地の写真や …

双糸とは(ソウシ)

双糸とは、2本の糸を撚り合わせた糸で 太さは倍くらいになり、1本の糸(単糸)よりも 太さが均一な糸になります。3本以上 4本とか合わせる場合もあります。(単糸には太さムラがありますが、2本合わさると 1本よりは打ち消しあって やや均一になります…

デニムとは(denim)

デニムとは、経糸に綿(コットン)の20番手双糸(太さは10番手になります)、緯糸に未晒糸(ミザラシ 漂白してない糸)の経糸よりも細めの綿糸を入れて 綾織(ツイル)に織った織物の総称です。 厚手のごわごわした生地が多いです。同じ綾織で やや薄め…

葛城とは(カツラギ drill)

葛城とは、双糸の太い糸を使ったツイル(綾織)の綿(コットン)織物の事です。同じツイルのデニムよりは やや薄い布生地になります。現在は主に3/1のツイル織組織になってます。(以前は3/2もあったらしいが 今はほとんどないらしいです) 太い綾目と…

抜染とは(バッセン) 白色抜染 着色抜染

抜染とは P下(プリント下生地)に 専用の糊をつけて 無地染めした後(糊がついた部分は染まらない)、その糊を溶かしてしまう染め方法です。 この糊に何も入れないのが 白色抜染(白の水玉模様などは この方法です)、糊に色を配合してつけるのが着色抜染…

クレープとは(crape)

クレープとは、本来は糸の撚(撚糸)が ほどける(解撚)のを利用して 表面に細かいさざ波状の凹凸が現れている布生地の事です。ですが、撚糸を利用しなくても 表面に細かい凹凸のようなものが見えれば クレープと言うようです。 この凹凸は シボとも呼ばれ…

バックサテン・アムンゼン(back satin amunzen) クレープ・バック・サテン(crepe back satin) バック・サテン(back satin)

バックサテン・アムンゼンとは、表面がクレープ(一般的にアムンゼン(梨地)組織) 裏面がサテンになった布生地の総称です。クレープ・バック・サテンとか 簡単にバック・サテンとも呼ばれます。 ですが、どちらの面も使えます(一般的に布生地は デザイナ…

整経とは(セイケイ) 荒巻整経(アラマキセイケイ) 部分整経(ブブンセイケイ)

整経とは、織物の生産工程で 経糸(タテイト)を揃える(整える)工程です。通常 織物の経糸は4,000〜16,000本もあり、それらを一辺に揃えようとすると 4,000〜16,000本もの糸本数が 必要になる上に、一巻きの糸量が例えば1kgとす…

ポリノジックとは(polynosic)

ポリノジックとは、ビスコース・レーヨンの欠点を改善した繊維で、製法を変えて 重合度や結晶化度を上げて 緻密な繊維にしたものです。全体的に均一の分子構造を持っているため、弾性にすぐれ特性を示します。通常のレーヨン(ビスコース・レーヨン)に比べ…

レーヨンとは(rayon) ビスコース・レーヨンとは(viscose rayon)

レーヨンとは パルプ(木材のくず)などを原料とした繊維素(セルロース cellulose セルロースは綿の主成分)からなる再生繊維の総称です。製法によって下記のように分類されます。ビスコース・レーヨン(ビスコース法繊維):一般にレーヨンと言うと この繊…

エンボス加工とは(embossing finish)

エンボス加工とは、熱可塑性(熱すると柔らかくなる性質)の織物などの布生地に 型のついたローラー等で熱をかけて 凹凸の押型模様をつける加工です。ローラーの大きさの制約上 小さい柄や経トライプの模様が多いです。楊柳などで 経シワの形状を一様にする…

クリアカット仕上げとは(clearcut finish) ドライ・フィニッシュ(dry finish)

クリアカット仕上げとは、表面の毛羽(ケバ)を 焼いたりカットしたりして 綺麗にする仕上げ方法です。ドライ・フィニッシュとも言われ、主に薄めの梳毛織物のように元々毛羽の多い布生地を 春夏向きにするために用いられます。ポーラ、トロピカル、クレープ…

番手とは(バンテ) 太番手(フトバンテ) 細番手(ホソバンテ)

番手とは 糸の太さを表す単位で 一定重さ当たりの長さ(デニールやデシテックスと反対です。それらは一定長さ当たりの重さです)になります。ですので、小さいほど太い糸になります。20番手の糸の方が 40番手よりも太くなります。太い糸を太番手、細い糸…

シルックとは

シルックとは、東レ(株)の商標で ポリエステル製ですが 糸の断面をシルク(絹)の花びらのような三角断面を真似て その形にした糸の事です。(通常の糸は丸い断面です) 絹のような光沢や手触りですが、家庭で通常の洗剤で洗濯できて 取り扱いはとても楽で…

スフとは スパン・レーヨンとは(spun rayon)

スフとは スパン・レーヨンの事で レーヨンを長繊維の形で紡糸したものを わざわざカットして(通常2吋の長さ 約5cm程度)短繊維にして 紡績した糸の事です。これで織物に織った布生地を スフ織物と言い、綿織物タイプや毛織物タイプなどが あります。天…

単丁パレスとは(タンチョウパレス) 単パレ(タンパレ)

単丁パレスとは 経糸無撚糸に緯糸1,000〜1,500回/mの片方の撚りの緯糸を入れた平織りの織物です。本パレスがもっと撚回数の多いSZ撚り(左撚りと右撚り)を2本交互に入れるのに 対してコスト・ダウンしたものを作るために 考え出されました。SZ…

パレス・クレープとは パレスとは (palace crepe)

パレス・クレープとは 経糸無撚糸で緯糸に2,000〜2,500T/mの撚糸(通常SZ撚(左撚り右撚り)2本交互)を打ち込んだ 平織りのシボの少ない織物です。デシンに似ていますが、デシンより緯糸の撚回数が少ない(パレス撚とも呼ばれます)ので シボが…