生地屋のQ&A

布生地のプロフェッショナルが わかりやすく解説してます。

2013-01-01から1年間の記事一覧

銘仙とは (メイセン)

銘仙とは(メイセン)、経糸(タテイト) 緯糸(ヨコイト)とも、精錬した玉糸の諸撚り糸(モロヨリイト) または片撚り糸、あるいは絹紡糸(ケンボウシ)を用いて、平織りに織った練絹織物(ネリキヌオリモノ)です。 柄は縞 絣(カスリ) または、経糸捺染…

生糸とは(キイト ナマイト) 生絹(キギヌ) ローシルクとは(raw silk)

キイトとナマイト 両方読めますが、意味が違います。 ★生糸(キイト)とは (raw silk)一般に言う絹糸の事で「かいこ」の繭を70℃ほどのお湯に浸け ほどいて繰り取った糸のことです。絹糸本体のフィブロインを セリシンが覆っています。生絹とかローシルク(r…

中形染とは(チュウガタゾメ) 中型染とは 中形

中形染とは(中型染とも書く)、元々中型紙(鯨尺3寸7分~7寸5分 1鯨尺=3.785cm、大型紙 小型紙の比較から中型と言われた)によって染めた柄の名称ですが、現在は型紙の大きさに 関係なくなっています。 おもに夏用の木綿ゆかたに用いられたので、…

「即購入可の防炎加工済みの布はありますか?」

弊店の布生地をお買い上げになったお客様から、下記のような お問い合わせがありました。 Q.「舞台装置などに使用する際、防炎加工が必要な場合があります。納期1週間くらいで 加工されてらっしゃいますか? もしも即購入可能の防炎加工済みの布があれば …

注染とは(チュウセン) 板締め防染とは(イタジメボウセン)

注染とは、型紙を用いて防染糊(のり)をつけた布を重ね、染料を注いで下から吸い取って染める技法です。染める部分に土手を作り、その土手の内側に染料を注いで布を染めます。そのため 次の様な利点があります。 一度に多色を使って染めることができる 染料は…

解し織りとは(ホグシオリ) 経糸捺染とは(タテイトナセン ワープ・プリント warp print) 経絣(タテカスリ) 再織り(サイオリ)

解し織りとは、経糸捺染(タテイトナセン)とも言い、絣(カスリ 経絣(タテカスリ))の一種です。経糸の模様が 細かくかすれて上品な感じになります。次のようにして 作ります。 経糸に捺染するために ごく粗い間隔で 緯糸を織り込みます(経糸がバラバラ…

ポリプロビレン繊維とは (polypropylene)

ポリプロビレン繊維とは、プロピレンを重合させた熱可塑性樹脂から作った繊維です。強度も強く 吸湿性もなく耐薬品性(酸 アルカリを含む)にも優れています。 染色性が悪く、耐光性も低いため ファッション衣料には 向いていません。ニードル・パンチなどで…

防染とは(ボウセン) 白色防染 着色防染

防染とは、布生地に染料が染めつかないようにすることです。糊等(防染剤)を使って 初めから染まらない部分を作って、反染め(通常の染加工)したり 捺染(プリント)したりします。 防染の染方法には、大別して下記のような方法があります。 白色防染(白…

絣とは (カスリ) イカットとは (ikat)

絣とは、部分的に染め分けた糸(絣糸、多くの場合 縛ったりして防染し班に染める)で 織った織物の総称です。ところどころ かすったような模様が見られるので、絣(カスリ)と 呼ばれます。 これに類した織技は 東南アジアをはじめ世界各地にみられ、マレー…

青み付けとは 青味付け (アオミツケ blueing)

青み付けとは、白色の繊維製品を いっそう白く見せるために 黄味や赤味の補色である、青色で着色する事です。人間の目の錯覚を利用してます。昔の洗剤には 青色の染料がほんの微量入っていて、綺麗に白く洗いあがったように 見せているものもありました。 た…

お召とは(オメシ 御召) 御召縮緬とは(オメシチリメン)

お召とは、経糸(タテイト)と緯糸(ヨコイト)に 強撚(通常2本交互)の精錬・先染めした絹糸を用いた 最高級クラスの平織物です。御召縮緬も 同じ意味です。 羽二重(重めの方)と共に最高級の素材で 和服の略礼装・洒落着に使われます。経済産業省指定伝…

駒撚り糸とは (コマヨリイト)

駒撚り糸とは、練り糸(ネリイト=精錬した絹糸)の 中~強撚の諸撚り糸(モロヨリイト)の事です。(元々は強撚のものだけを 差していたようですが、製造中に取扱いやすいのと コスト・ダウンのために、中撚のものも 作られるようになったと思われます。強…

諸撚りとは(モロヨリ) 諸撚とは 諸糸とは(モロイト)

諸撚りとは、撚りのかかった糸(下撚り)を 2本合わせて撚り合わせた(上撚り)糸の事です。通常は 下撚りと反対方向の撚りをかけます。 一般に紡績糸(短繊維)の場合は 諸撚り糸を 双糸、フィラメント糸(長繊維)の場合は 諸糸と呼びます。 (反対方向の…

金襴とは (キンラン)

金襴とは、金糸(キンシ)を絵緯(えぬき)として文様を織り出した織物の事で、ジャガード織機で作ります。 金糸を使わない「無金物」(ムキンモノ わびさびを出した趣の深いものもあるようです)も 金襴と呼ばれる場合も あるようです。 「金襴 緞子」(キ…

駒綸子とは (コマリンズ)

駒綸子とは、駒撚り糸(コマヨリイト 強撚の諸撚糸)を使った綸子の事です。通常の綸子よりも 光沢が少なくなりますが、強度は増します。婦人和服地に 使われます。 (駒撚り糸には 中撚の諸撚糸との記述もあります。中~強撚の撚りのかかった 諸撚糸ではな…

綸子縮緬とは (リンズチリメン)

綸子縮緬とは、右撚り 左撚りの強撚糸を 交互に緯糸に入れて 縮緬のようにシボを出した綸子(リンズ)の事です。 縮緬のように シボが立ってます。地質が柔らかく、光沢に富むことを特徴とし、染呉服用の生地として広く活用されています。 この記事は 布生地…

緞子とは(ドンス)

緞子とは、ドンスと読み 糸で精錬・染色した先染め糸を使って、ジャガードで朱子(五枚朱子や八枚朱子等)の表組織と裏組織で 地模様も出したものです。 (綸子(リンズ)は 同じように作りますが、後染め(織り上げてから染める)です) 厚地で高級感があり…

綸子とは (リンズ)

綸子とは、リンズと読み 経緯(タテヨコ) 無撚糸の糸を使い、ジャガードで朱子(五枚朱子や八枚朱子等)の表組織と裏組織で 模様を出したものです。通常は 地組織を朱子(光沢あり) 模様は朱子の裏組織(光沢なし)で あらわします。 生糸(キイト)を用い…

皺加工とは (シワ加工 crease finish)

皺加工とは(シワ加工)、皺を布生地の表面効果として 布生地に皺をつける加工の事です。 ポリエステルの織物の場合は、その熱可塑性(熱をかけると 柔らかくなる性質)を利用して 通常は生機の状態で 皺をつけ(袋などに詰め込んで 熱をかける等)、染めま…

ヘリンボーンとは 杉綾とは (スギアヤ herringbone) ヘリンボン ヘリンボーン・ストライプ

ヘリンボーン(杉綾)とは、「ニシンの骨」の意味で 織り目(織組織)が そのように見える事から この名前があります。ヘリンボーン・ストライプとも 言います。サテンのように 織組織の名前です。 杉綾のようにも 見えるので、日本語では「杉綾」とも 呼び…

エラスタンとは (elastin)

エラスタンとは、ポリウレタン(スパンデックス)の事です。ヨーロッパ等で 使われる呼び方です。有名なライクラは ポリウレタン(エラスタン)のデュポン(株)や東レ・デュポン(株)の商標です。 (ですので デュポンや東レ・デュポン以外の ポリウレタン…

レースとは (lace)

レースとは、一般に隙間が多く それで模様を表した布生地の事です。(模様のない 亀甲目の網地のプレーン・ネットもレースと 呼ばれます) 種類は非常に多く、下記のようなもの等が あります。 リバー・レース エンブロイダリー・レース(刺繍レース) ラッ…

シェトランド・ツイードとは (Shetland tweed) シェットランド・ツイード

シェトランド・ツイードとは、元来はシェトランド・ウールで作られた ツイード(布生地)です。 柔らかくふっくらとした感触の厚地の毛織物です。霜降り調のものや 杉綾 グレンチェックなどの いろいろな種類があります。現在は それに似ていれば シェトラン…

ツイードとは (tweed) ハリス・ツイード (Harris tweed)

ツイードとは、元来は スコットランド(英国)産羊毛の 太い紡毛糸を毛染め(いろいろな色の混ざった糸になります)して手で紡ぎ、粗く手織りした平織 綾織の総称です(縮絨 起毛しない)。 ざっくりとした素朴な味わいのある、厚手の紡毛毛織物です。ボーダ…

シェトランドとは (Shetland) シェトランドウール(Shetland wool) シェットランド

シェトランドとは、シェトランド・ウールの事で イギリスの北方スコットランドの そのまた北のシェトランド諸島の羊毛から 取れるウールの事です。または それらで作られた織物 編物 レースを指します。 (「シェットランド」と記されたファッション用語辞典…

ミシン針の番手とは

ミシン針の番手には、国内番手と外国番手があり、例えば下記のように 針に刻印されてます。ミシン糸番手などとは 反対に、数字が大きくなるほど 太くなります。 90/14 (外国番手/国内番手) 手芸屋さんでは 下記のように分類されて 売られてます。 薄…

ミシン糸の番手とは カタン番手

ミシンの糸番手とは、カタン番手とも言い 綿番手と同じ太さの単位(1ポンド(453.6g)当たりの長さ(単位840ヤード=768m)です。 カタン糸(イト)とは、ミシン糸で コットン(綿)製のものを指します。元々ミシンに使うのには 強度が必要な…

色落ち

ここ2~3日 どうも手が黒ずむと思ったら、新品のコール天の黒ズボン(コットン100% 本当はポリエステル混の方が丈夫なのですが、ほとんど売ってないのですよね)が 原因でした。(安かったからなあ~(笑)、でも 製品の質と縫製はしっかりしてたので…

芯地とは(シンジ interlining cloth) 接着芯地(セッチャクシンジ fusible interfacing)

芯地とは、布生地に張りを持たせ 服の型崩れを防ぎ、体型をカバーして 美しいシルエットを形作るためにあります。 布生地の種類と同じで 下記の3種類があります。それぞれの種類の中に、接着する芯地(接着芯地)と そうでない芯地がありますが、工業生産さ…

反毛とは(ハンモウ Shoddy) 再製毛(サイセイモウ)

反毛とは、元々 毛(ウール)織物や毛編物などの、くず糸やくず布を 反毛機でほぐし 再生した羊毛を指してました。(再製毛とも言います。新毛(virgin wool)よりも 紡績性や縮充性は劣ります) ですが、近年では 綿(コットン)なども使われ、針状の機具で織…