生地屋のQ&A

布生地のプロフェッショナルが わかりやすく解説してます。

2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ケミカルウォッシュとは(chemical wash)

ケミカルウォッシュとは、ジーンズを人工的に中古風に加工する方法の一つで、塩素系の漂白剤を混ぜた洗剤で ムラになるように脱色する加工の事です。化学的にするので ケミカルと言います。 ストーン・ウォッシュの方法を併用して、ゴムボールや軽石などを一…

ストーンウォッシュとは(stone wash)

ストーンウォッシュとは、人工的に中古風に加工する方法の一つで、軽石 人工研磨石 セラミック等を入れて洗う加工方法です。ジーンズが有名ですが、ジャンパー 皮製品等にも使われます。 ジーンズでは、柔らかくなり とてもはき易くなります。また「アタリ」…

セルロースとは(cellulose)

セルロースとは、コットン(綿) 麻やレーヨン ベンベルグ アセテート等の主成分で、植物のほとんどは この成分よりできてます(植物細胞の細胞壁の主成分、全植物成分の1/3を占めると言われてます)。自然界に最も多く存在する炭水化物(有機化合物)で…

バイオ加工とは

バイオ加工とは、特殊な酵素を使って微生物に布生地の表面を食べさせる加工です。 セルロース(コットンやレーヨンの主成分)の分解酵素(セルラーゼ酵素)を利用したもので、微生物を含むバイオ溶液につける事によって、布生地を柔らかくしたり 古着感覚を…

ふくれ織とは(フクレオリ) マトラッセ/クロッケ(matelasse/cloque(仏) 紋ピケ 紋ピッケ

ふくれ織とは、マトラッセ(matelasse)、クロッケ(cloque 最後のeには 上に点が付きます) とも言い 二重織の浮いた部分と結節部分で 凹凸の模様を表した織物です。紋ピケ(紋ピッケ)は、ピケの手法で 盛り上がった柄を作ったも織物で ふくれ織に属します。 …

袋織とは(フクロオリ)

袋織とは、経緯二重織で 織組織の中に結節点(上下の布生地をつなぐ部分)をもうけないで、両端の耳部分だけ繋がっている布生地です。袋状になっているので この名前があります。(下を縫い合わせれば 本当に袋として使えます) ほとんど見かけない織物で 私…

風通織とは(フウツウオリ) 風通

風通織とは 風通とも言い、二重織の一種で 小さな袋状の模様が現れる織物です。中に風が通ると意味から風通と名づけられたと言われています。 表側の経糸・緯糸と 裏側の経糸・緯糸に それぞれ違う色を使い、緯糸を変えたりする組み合わせで多色の風通(三色…

ベルベットとは(velvet) ビロード(天鵞絨)

ベルベットとは、ビロード(天鵞絨)とも言い 柔らかな短めの毛羽で覆われた、光沢のあるなめらかな織物です。豪奢でドレッシーな趣があります。 元来は 絹の経糸をパイル毛にしたパイル織物を言いましたが、現在はアセテートやレーヨンを経糸にして 多く作…

スエードクロスとは(suede cloth)

スエードクロスとは、スエードに似せた人工スエードの事です。繊維素材はほとんどポリエステルで、超極細(糸の中の1本のフィラメントの太さが0.5デニール以下程度)のフィラメントを使います。 (スエードとは(suede)、カーフ(子牛の皮) キッド(仔山…

起毛とは(キモウ raising)

起毛とは、布生地の表面をひっかいて 毛羽(ケバ)を出す加工です。これにより 布生地の表面を毛羽が覆い 手触りが柔らかくなり、独特の外観、厚みが出て温かみのあるものになります。糸や布の織組織を隠したり、柄物の輪郭をぼかす効果をねらう場合もありま…

フランネルとは(flannel) フラノ

フランネルとは、フラノとも呼ばれ 経糸(タテイト)・緯糸(ヨコイト)とも 紡毛(ボウモウ)糸を使い、平織または綾織で縮充(シュクジュウ)を施して 毛羽を押さえた、軽くて柔らかい紡毛織物です。 梳毛(ソモウ)で織ったものもあり、梳毛フランネルと…

購入の決め手は「動画」(お客様アンケートより)

番外ですが、生地屋のお客様アンケートの「何が決め手となって、生地屋で購入なさいましたか?」 に対して 「動画」 と、東京のM様が書いていただけました~♪やっぱり効果があるのですね、とっても 嬉しいです。 (両動画とも 写真クリックで再生しません。…

ネルとは(cotton flannel) コットン・フランネル 綿ネル

ネルとは、綿フランネル(コットン・フランネル 綿ネルとも呼ばれます)の略称です。甘撚の緯糸を打ち込んで平織、2/1綾織、2/2綾織の綿織物を起毛した布生地です。起毛してあるので 肌触りが柔らかくて暖かく、バジャマ ベビー衣料 シャツなどに使わ…

水通しとは(ミズトオシ) 地直し(ジナオシ) 地伸し(ジノシ)

水通しとは、洋服の縫製が出来上がってから 洗濯などで型崩れするのを防ぐために あらかじめ布地の縮みやゆがみを 正しく直す事です。合繊以外は織布や染め加工工程で 多かれ少なかれほぼ100%ゆがみは入ってます。地直し 地伸しとも言います。 (ただ 最…

生絹織物とは(キギヌオリモノ) 後練織物(アトネリオリモノ)

生絹織物とは、生糸(キイト)で織り上げた後で 精錬(練るとも言います)する織物の事です。先練織物の反対語です。 生絹(キギヌ)とは 精錬しな絹糸の事で、生糸(キイト)と同じ意味です。 シルク(絹)のオーガンジーのように 後にも先にも精錬しない織…

先練織物とは(サキネリオリモノ degummed silk fabric) 練絹織物(ネリギヌオリモノ) 練織物(ネリオリモノ)

先練織物とは、生糸(キイト)を精練した練糸(漂白したり染めたりする場合もあります)で織った織物の事です。練絹織物(ネリギヌオリモノ)や 練織物(ネリオリモノ)とも呼ばれます。 (精錬する事を「練る」とも 言います) 生糸で織った後、精錬する織…

紬とは(ツムギ)

紬(ツムギ)とは、生糸(キイト)に向かない節(フシ)が多いと言われる玉繭や くず繭等(変形した繭等)を手撚りで紡いだ糸(紬糸 ツムギイト)を、経糸(タテイト)や緯糸(ヨコイト)の片方か 両方に用いた先練織物の事です。糸の太さが不均一で 節も所…

タイシルクとは(Thailand silk) ジム・トンプソンとは

タイシルクとは、タイの国で作られる絹織物の事です。経糸(タテイト)に極細の絹糸、緯糸(ヨコイト)に甘撚(アマヨリ)の紬糸(ツムギイト)を用いて、平織にしたものがメインです。 緯糸の節(フシ)と、明るいトルコ・ブルーや黄褐色、金・銀糸使いによ…

撥水加工とは(ハッスイカコウ)

撥水加工とは、織物にシリコン、フッソ素系撥水剤、蝋質(ロウシツ)、アルミナ石鹸、ピリジニウム塩、セラチンなどの樹脂を付着させて、半永久的な防水性を与えようとする加工方法の事です。水を防ぎながら 織物自体の通気性はほとんど損ないません(通気性…

透湿防水とは(防水透湿) 防水吸汗(吸汗防水)

透湿防水とは、水は防ぐが汗などの湿気は通す性質の事です。登山などでは 雨や雪で体が濡れると 体温を奪われ危険です。一方 湿気が抜けていかないと 汗をかいて同様に危険です。それを緩和する目的で開発されました。 (土砂降りの雨では 布生地表面に水の…

チンツ加工とは(chintz finish)

チンツ加工とは、布生地に光沢を出す加工の事です。ポリエステルやナイロンでは 高熱をかけたローラーの間を通して(この機械をカレンダーと言います)、熱と圧力で布生地をつぶし光沢を出します。 透湿防水生地で 放水性能を上げるために 布生地の目を詰ま…