防染とは(ボウセン) 白色防染 着色防染
防染とは、布生地に染料が染めつかないようにすることです。糊等(防染剤)を使って 初めから染まらない部分を作って、反染め(通常の染加工)したり 捺染(プリント)したりします。
防染の染方法には、大別して下記のような方法があります。
- 白色防染(白色抜染):模様が白く(通常オフ)残る染加工方法です。防染剤をプリントして、染料が染み込まないようにしてから全体を染ます。その後 防染剤を洗い落とすと、そこだけ 染まらないで白い柄になります。
. - 着色防染(着色抜染):模様が他の色に染まる染加工方法です。防染剤に染料を染み込ませて プリントし、全体を他の色で染めます。その後 防染剤を洗い落とすと、2色の柄になります。
防染剤(方法)の種類としては、下記のようなものがある。
- 糊防染(ノリボウセン 友禅染や中形に用いられます)
- ろうけつ染(ロウ(蝋)を使う)
- 絞り染め(防染剤をつけた糸等でくくったりして 染料が染み込まないようにする)
- 注染(チュウセン)
この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。
絣とは (カスリ) イカットとは (ikat)
絣とは、部分的に染め分けた糸(絣糸、多くの場合 縛ったりして防染し班に染める)で 織った織物の総称です。ところどころ かすったような模様が見られるので、絣(カスリ)と 呼ばれます。
これに類した織技は 東南アジアをはじめ世界各地にみられ、マレー語で「縛る、括る」を意味する「イカット」(ikat)で呼ばれています。
絣織物の一部の例(写真)は 下記にまとめられてます。下記写真は ここから 拝借してます。
さく楽日記 絣
絣糸を経糸に使用するものを 経絣(タテカスリ)、緯糸に用いたものを 緯絣(コカカスリ)、両方に使用したものを経緯絣(タテヨコカスリ)と呼びます。
もっと読まれたい方は 次をクリックしてみて くださいませ~♪
絣とは (カスリ) イカットとは (ikat)
お召とは(オメシ 御召) 御召縮緬とは(オメシチリメン)
お召とは、経糸(タテイト)と緯糸(ヨコイト)に 強撚(通常2本交互)の精錬・先染めした絹糸を用いた 最高級クラスの平織物です。御召縮緬も 同じ意味です。
羽二重(重めの方)と共に最高級の素材で 和服の略礼装・洒落着に使われます。経済産業省指定伝統的工芸品です。
(通常の縮緬(チリメン)は、経糸に撚をかけずに 緯糸に強撚をかけて シボだしをしています。ですので お召は 縮緬よりシボが大きくはっきり現れます。また 縮緬は織り上げ後 精錬・染をしますが(後染)、お召は 糸の段階で精練・染をしています(先染)。セリシンが取り除かれた状態で 織り上げるため、縮緬に比べて 固くコシのある風合いになります)
徳川11代将軍 家斉(イエナリ)公が、好んでお召になった事から 「お召」と言われるようになったとの事です。近年は 生産量が少なくなってます。また コスト・ダウンの為に、緯糸にウールを用いた ウールお召もあります。
もっと読まれたい方は 次をクリックしてみてくださいませ~♪
お召とは(オメシ 御召) 御召縮緬とは(オメシチリメン)
駒撚り糸とは (コマヨリイト)
駒撚り糸とは、練り糸(ネリイト=精錬した絹糸)の 中~強撚の諸撚り糸(モロヨリイト)の事です。
(元々は強撚のものだけを 差していたようですが、製造中に取扱いやすいのと コスト・ダウンのために、中撚のものも 作られるようになったと思われます。強撚で糸を縮めて シボを出したりはしないので、中撚でも ほぼ効果は 変わらないと思います)
和装織物用語で、駒撚りお召、駒綸子(コマリンズ)などの 和装織物用の糸として 使われます。
通常21デニールの2本の諸撚り(だいたい21x2=42デニールの太さになります)、14デニールの三子撚り(ミコヨリ だいたい14x3=42デニールの太さになります)などがあります。手織りでは もっと太い168~252デニールの糸が 使われるようです。
(太くないと、織るのに時間が かかり過ぎるため)
駒撚りの糸は 硬くドライ感(シャリ感)があり、締まっているので 手のささくれなどに 引っかかりにくくなります。ですが、光沢は少なくなります。
この記事は 布生地通販の生地屋店長の三浦宗之が書いています。