生地屋のQ&A

布生地のプロフェッショナルが わかりやすく解説してます。

2013-01-01から1年間の記事一覧

色について カラー(color)

色って 本当に微妙で 難しいです。 よくお客様から、メールで画像のリンクを示されたり 画像を添付ファイルとして 送ってこられ、「これと 同じ色を捜してください」 とか「これに 一番近い色が欲しいのです」 とか 聞かれます。 ですが、お客様がご覧になら…

紡績とは (ボウセキ spinning)

紡績とは、天然繊維の短い繊維、または化学繊維のステープル(短繊維)を、平行に並べ 均一の太さに引き揃えて、撚(ヨリ ねじること)をかけて糸にすることです。「紡」はよりあわせることを意味し、「績」は引き伸ばすことを意味する漢字です。 紡績で で…

紡糸とは(ボウシ spinning) 溶融紡糸 湿式紡糸 乾式紡糸

紡糸とは、一般に化学繊維の製造段階で 糸の原液を多数の小さい穴から、押し出して糸にする事を言います。溶融紡糸 湿式紡糸 乾式紡糸など3種類あります。 (コットン(綿)やウール(毛) 麻などの短繊維を、引き揃えて撚をかけて糸にする事は 紡績と言い…

スパンボンドとは (spun-bounded fabric) メルトブロー(melt-blown)

スパンボンドとは、不織布の一種で 化学繊維を紡糸する際に 繊維が十分に固まらないうちに 直接シート状にして作ります。腰と張りのある不織布になります。 溶融紡糸(溶かして糸状にする)で作るものは メルトブローと言います。下記の新和工業(株)さんの…

不織布とは (フショクフ non-woven fabric)

不織布とは、織物にも編物にも属さない布生地の事です。繊維を糸にせずに、繊維のまま布生地状にしたものです。 紙をすくのと同じ方法で作る混式(乾式と湿式あり) 繊維を薄くシート状に広げて 接着剤で固めた接着式. 特殊な針でシート状の繊維を突いて 絡…

ウーブン・ソトライプ (woven stripe) ウォーブン・ストライプ セルフ・ストライプ(self stripe)

ウーブン・ストライプとは、織縞(オリシマ)の事で 同色の糸を使って、縞と地の部分を 違った織組織で織り、縞を表したものです。 セルフ・ストライプ(self stripe)とも 言います。例えば サテン・ストライプ・ジョーゼットは、地が平織りのジョーゼット 縞…

切りっぱなしで使える布生地とは

切りっぱなしで使える布生地とは、 大部分の不織布やフェルト、フリース等(繊維同士が からみあっているので、切ってもほつれない). 一部のニット素材(編物)(ほつれにくいニットがあるようです。イッセイミヤケさんの製品で 衿や袖を切って使うニット製…

エナメル・クロスとは (enamel cloth)

エナメル・クロスとは、無地の陶磁器のような外観を持った布生地の事です。エナメルは陶磁器の釉薬(ウワグスリ)の事です。 通常はコーティングで加工します。皮革製品に同様の加工をして「エナメルの靴」などを 製造したりします。エナメルのような外観を…

うさこさんが 手作りフェアーIN九州から 生放送されます!

ニコ生のオフィシャル放送枠(毎週月曜日の夜9時)をもっていらっしゃる「うさこ」さんが、15, 16日(金・土)と日中(10:30-17:00)に ホビーショー手作りフィアIN九州から生放送されます。 視聴者プレゼントも あるようですので、お時間のある方は ぜひご覧…

架橋反応とは (crosslinking reaction, cross-linking reaction)

架橋反応とは、分子鎖(分子が鎖状に 長くつながったもの)の間に 橋を架けるように 他種類の分子がつながる反応です。つながる事によって 高分子(ポリマー)では 一般に粘性が増し、ゲル化したり(分子鎖間の隙間が多く 水分子が入り易い場合) 固くなった…

熱可塑性とは (ネツカソセイ thermoplasticity) 熱硬化性とは (ネツコウカセイ thermosetting)

熱可塑性とは、加熱すると 柔らかくなる性質で 成形後常温に戻すと ほぼそのままの形で成形できます。ほとんどの合成繊維が この性質を持ちます。(fosshape以外は 三浦は知りません) 熱硬化性とは、反対に 加熱すると架橋反応等が進んで 重合度が上がり、…

fosshapeとは

fosshapeとは、熱硬化性の分厚い不織布のようです。下記動画のように 成形して熱をかける事によって 硬くなります。構築的なシルエットを作ったり コスプレなどで利用できそうですね。(フォス・シェイプと読むのでしょうか?) 通常の合成繊維は 熱可塑性で…

風合いとは (handling)

風合いとは、手触りや肌触り 着心地など、人がその布生地に触れた時に感じる 材質感の事です。「風合い良い生地」(手触りの良い)と言うような 表現をします。 学術的には 次のような標準的基本用語が 定義されてるようです。学術的に定義すると とても難し…

ベネシャンとは (venetian) ベネ

ベネシャンとは、朱子(サテン) または綾(ツイル)の変化組織で、マイルドな光沢があり 厚手でなめらかな風合いを持っています。布面には 急角度の斜めの線が密にあります。略して「ベネ」とも呼ばれます。 織組織は5枚サテン(経糸が4本浮いて 1本沈む…

ニードルパンチとは (needle punch)

ニードルパンチとは、 不織布では、短い繊維を薄く何枚も重ね 多数の針(ニードル)のついた機械で 圧縮してフェルト状にした布生地です。不織布の代表的な製法の一つで、安価でホツレがなく自由にカットできるので カーペットなどに多く使用されてます。.(…

オパール・ジョーゼットとは (opal finished georgette)

オパール・ジョーゼットとは、オパール加工をしたジョーゼットの事です。透けた生地に 透けないプリント模様が見えます。 オパール加工は、まず 絹 合成繊維などの 酸に強い繊維と、綿 レーヨンなどのように 酸に弱い繊維との 交織や混合織物を作ります。溶…

ブロードテール ファブリックとは (broadtail fabric)

ブロードテール ファブリックとは、高級毛皮のブロードテールに似せて作った 波状の渦紋のある毛織物の事です。婦人のコート地に使われます。 (毛皮のブロードテールとは、カラクル種(ペルシャ羊の一種)の早産(未熟児で生きられなかった羊) 死産、また…

ガーゼとは (gauze, (仏)gaze)

ガーゼとは、経(タテ)・緯(ヨコ) 40番手の コットン(綿)の単糸を、経密度30本/インチ 緯密度22本/インチ程度の極めて粗い平織にして、柔らかく仕上げた織物です。 精錬 漂白して衛生用材料や幼児用肌着 ハンカチにも使われます。(以前は 切り…

ゴーズとは(gauze)

ゴーズとは、次の3つの場合があります。空気の良く通る 薄い布生地を指すようです。 紗(シャ)や絽(ロ)のような「からみ織」の事。一般に シルク(絹) 化学繊維 コットン(綿)を使うことが 多い。レノとも言い 狭義には絽の事を 指すことが多い。. コ…

ブロードとは(broad) ブロードクロスとは(broadcloth)

ブロードとは、ブロードクロスとも言い 経糸(タテイト)を密に 緯糸(ヨコイト)の1.5~2倍くらいの糸密度で織った織物です。密な地合いで光沢があり 繊細な緯畝のある柔軟な平織物で、強度はかなりあります。 ポプリンよりは 緯畝が細いです。(ブロー…

カード糸とは (carded yarn)

カード糸とは、綿(コットン)のコーマ工程を通さない糸の事で 40番手以上(30と40番手のみは コーマ糸もある)の太さは 事実上全部カード糸になります。(30番手以上の糸で コーマ糸を作る事も 可能ですが、あまり意味がありませんし(太いので強度…

コーマ糸とは (combed yarn)

コーマ糸とは、短繊維でカード糸に対する言葉で、カード工程(長さの短かい繊維の除去と 繊維を平行に引き揃える工程)の後で、さらにより短かい繊維の除去と繊維の平行度をより良くする為に コーマ(comb 櫛の意味)と言う機械を通して紡績した綿の細番手高級…